江戸小舟町の経師屋芳古堂の職人で、腕がよくて利発な栄二(益城宏）と、不器用だが人のよいさぶ（嵐広也）は、将来一緒に店を持とうと誓い合った無二の友だった。
　 栄二は得意先でも人気があり、両替屋の綿文の姉妹のうち、どちらかを嫁にもらうだろうという噂だった。栄二を慕う女中のおすえ(浜名実貴）は胸をいためた。
　 ところが、その綿文での仕事中、主人秘蔵の古金襴の布が紛失し、しかもそれが栄二の道具袋から出てきたのだった。
　 親方もおかみさんも、誰も無実を信じてはくれず、栄二の心は荒れた。奉公所の取り調べに何も答えない栄二は、石川島の人足寄場へ送られていった。
　 人足寄場での生活は、やがて栄二に、人の一生が一枚の金襴の布などで左右されるものではないことを教えるのだった。
　 そして足掛け三年が過ぎ、寄場の仲間に見送られて、栄二はさぶたちのもとへ帰ってきた。しかし･････