あらすじ

ヒューマニズムに溢れる医師像、命に携わる人々の葛藤、病に侵されながら精一杯に生きる人々の姿……豊潤な人間ドラマの中に「医の原点」を映し出し、多くの人々を魅了してきた山本周五郎の傑作時代小説「赤ひげ診療譚」。前進座は一九八七年の舞台化以来再演を重ねて練り上げ、上演四七〇回を超える人気演目です。前進座俳優陣のチームワークによって繰り広げられる舞台は、時代を超えて清新な感銘を響かせます。

 長崎で蘭学を学び江戸に戻ってきた若き医師・保本登(高橋佑一郎)は、いきなり貧しい人々のための施療所・小石川養生所に呼び出され、医長の赤ひげ≠アと新出(にいで)去定(きょじょう)(嵐圭史)に住み込みの医員見習いを命じられる。反抗的態度でのぞむ登だが、赤ひげの貧しい人々に対する治療ぶり、真摯な生き方を見るうちに、彼の閉ざされた心は徐々に開かれていく。そして、自分を裏切った元婚約者の妹、まさを(今村文美)との出会い・・・・・・。

  あやめ、彼岸花、菊と季節は移り、それぞれの過去を背負う人たちの怒りと孤独、愛と別れ、笑いと涙…。そして、生と死が織りなす人間模様の中で、登が選んだ生き方とは―。

 


このページのトップへ