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歌舞伎作者で今日においても、最も多くの作品が上演されている第一の人気作者こそ、河竹黙阿弥(文化十三年生、明治二十六年没)です。『白浪五人男』『髪結新三』『魚屋宗五郎』等、娯楽性豊かな作品で時代を越えて人々を魅了しています。

その黙阿弥作品のなかでも最高傑作とされ、絶大な人気を誇るのが『三人吉三巴白浪』。人々は親しみを込め「三人吉三」と呼びます。「月も朧に白魚の、篝もかすむ春の空……」で語り出され、「こいつァ春から縁起がいいわェ」で締めくくられる名セリフは、芝居好きでなくても聞いたことがあるはずです。

 

偶然にも「吉三」と名乗る三人の盗人が出会い、宝刀「庚申丸」と大金百両の行方をめぐって巻き起こるドラマ。その三人とは、小坊主あがりの和尚吉三、八百屋お七よろしく振袖姿のお嬢吉三、着流し姿の元は侍のお坊吉三。奇しき縁と知りもせず、互いに交わす義兄弟の血杯──。

 

歌舞伎世話物の名キャラクターたちがその個性や扮装で楽しませ、七五調で書かれたセリフは心地よく、因果と波乱に満ちたドラマは、時に人間の闇を見せ、時におかしみを見せ、舞台はラストの雪降る立ち廻りに至るまで見せ場が続きます。

 

前進座歌舞伎の代表作として、ドラマ本位の仕立てと劇団ならではのアンサンブルが高く評価されている一作。矢之輔、國太郎、芳三郎ら、前進座当代による渾身の閉館ファイナル公演。どうぞお見逃しなく。