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かいせつ

題名にも織り込まれた「お染」「久松」は、江戸時代に数多くの作品に脚色された恋物語の主人公。

商家の一人娘と丁稚の恋物語に、家宝の名刀を探す騒動をからめた筋立て、さらにお染久松をはじめ七役を一人の女形が演じ分けるという趣向で、この「お染の七役」は大当たり。江戸の文化文政期に大流行し、今も観客を喜ばせ続ける早替り≠フ代表作となりました。

近代に入って上演が途絶えていたものを、昭和九年、渥美清太郎氏の改訂台本・演出により前進座が復活上演します。演じたのは、先代(五代目)河原崎国太郎でした。今日では坂東玉三郎丈や中村福助丈の「お染の七役」がよく知られていますが、いずれも初演の際に国太郎に教わり勤められました。一九九八年、「お染の七役」が当代國太郎の襲名披露演目となり、こんどは玉三郎丈、福助丈からご指導をいただき國太郎が勤めることができたのでした。

襲名から十五年、充実の時期を迎え、女形の多彩な魅力が花咲く國太郎の「七役」にご期待ください。


あらすじ

浅草瓦町にある質店油屋は主人亡き後、後家の貞昌が切り盛りをしているが、息子多三郎は、芸者の小糸に入れ揚げている始末。 娘お染は、店の丁稚久松と恋仲になっている。

久松は、実は侍の子で、主家の宝刀・午王義光を密かに探しており、その姉竹川も、刀を取り戻すための金の工面を、かつての召使お六に依頼する。だが、お六の亭主喜兵衛こそが宝刀を盗んだ張本人であった……。

母に諭されても久松との恋を諦めることのできないお染は、心中を決意する──



Zenshinza Kabuki
May 2014 National Theater of Japan