『南の島に雪が降る』

みどころ


  • 戦後70年―。あの戦争の記憶がだんだんと風化し、今また、この国の平和な未来に不安を覚えるような、きな臭いニュースが聞こえてきます。いったいこの国はどこに向かっているのか・・・。
    戦後70年にあたり、戦争のむごさ、人の命の尊さ、そして演劇や音楽など文化芸術が絶望の淵にある人々に何が出来るのかを今一度見つめ直したい― 
    そんな想いを込めた特別企画『南の島に雪が降る』は戦前、前進座の俳優として活躍された加東大介さんが、過酷な西部ニューギニアで実際に体験された、悲しくも可笑しい、地獄に灯った一筋のあかりの物語です。


ものがたり


  • 昭和18年、大阪中座の舞台に出演中の前進座俳優・市川莚司(後の加東大介)のもとに召集令状が届く。再び舞台には立てないかもしれない、そんな覚悟で向かった先は戦況厳しい西部ニューギニアのマノクワリ。
  • 本土からの食糧は尽き、マラリアなど疫病でばたばたと仲間の兵隊たちが亡くなっていく日々・・・。
  • ところがそこには彼の舞台を知る演劇評論家・長唄の三味線弾き・スペイン舞踊の教師・脚本家・カツラ屋・友禅職人・喜劇俳優といった面々との奇跡の出会いが待っていた。やがて彼を中心に演芸分隊が立ち上がる。懐かしい故郷の風景や女形の白い肌に母や女房を思う兵隊たち。
  • 死と隣り合わせの兵隊たちが毎日押し寄せ・・・